社員ブログ
こんにちは。PR推進事務局のスマイリーです!
毎月「YES! NEOSチャレンジ」という活動をご紹介しています。今月は、海外子会社からの初参加となったネオスケミカルタイランド(以下NCT)「社会貢献活動」をピックアップしました。
この活動は2023年の社長賞を受賞し、その後3年連続で継続的に参加されています。
NCTマネージング・ディレクターのマサさんにお話を伺いました。

NCT一番の悩みは離職率の高さ
スマイリー:
YES! NEOSチャレンジにNCT全社員で参加しよう、と考えたきっかけは何ですか?
マサ:
NCTの一番の悩みは社員が定着しないことでした。入社後1~2年以内で離職する社員が後を絶ちませんでした。優秀な人材がようやく戦力化したと思った矢先に転職してしまう――これは企業としても痛手でした。
その背景には、タイ労働市場ならではの事情があります。若年層が多く、経済成長が続く中で、他社からの引き抜きや転職機会が豊富にあるのです。加えて、タイでは「家族第一」「自分らしく生きる」という価値観が非常に強く、会社への帰属意識は日本と比較して高まりにくい文化的特徴もあります。
対策として2023年に新人事制度を導入しました。これに”魂”を入れる必要がある。創造、挑戦、成長を楽しみ、人生と社会に「嬉しさ」を という企業理念を徹底することが大事だと考えるようになりました。YES! NEOSチャレンジは、企業理念を体現する活動としてしっくりくると考え参加を決めました。

タンブン タイ文化に深く息づく善行の思想
スマイリー:
YES! NEOSチャレンジとして社会貢献活動をやってみようと考えた理由は何でしょう?
マサ:
理由の一つはタンブンという考え方がタイ社会には浸透していることでした。「タンブン」とはパーリ語由来の言葉で「功徳を積む」ことを意味します。小乗仏教(上座部仏教)が広く信仰されるタイでは、このタンブンの考え方が日常生活の隅々にまで浸透しています。
タイ人にとってタンブンは、単なる宗教的行為に留まりません。路上で物乞いをする人へ食べ物やお金を渡すこと、鳥や魚、カメなどを放流することで命を解き放ち、功徳を積むと信じられています。
タンブンは年齢・性別・職業に関わらず、誰もが日常的に実践する善行なのです。会社としてこうした活動を行うことは、現地社員にとっても抵抗が少なく、むしろ「喜ばしい機会」として受け止められる土壌がありました。これこそがCSR活動を軸に組織文化を育てる出発点となったのです。

マサ:
初年度は、土曜日の半日を使って孤児院への寄付やマングローブの植樹活動を行いました。
社員にとって「CSR活動=やらされる会社行事」ではなく「心の中に自然に響く善行」として受け止められていきました。活動後のフィードバックでも「楽しかった」「充実感があった」という声が多く寄せられました。

指示待ち文化から「自分たちで考え行動する」文化へ
マサ:
1年が経過すると、参加者の意識にも徐々に変化が現れました。当初は会社主導で計画していた活動に対し、「今度は自分たちで企画したい」という声が社員から上がるようになったのです。
私たちはこの芽を大切にし、2024年からは企画権を各部署に委ねる制度を導入しました。月ごとに持ち回りで担当部署を決め、活動テーマの選定・準備・当日運営まですべて社員に任せました。
タイ人は一般に「シャイ」と言われます。特に職場では自分の意見を積極的に主張する文化が弱い面もあります。良い意味では「和を重んじる」「衝突を避ける」文化ですが、反面、自発性を引き出すには工夫が必要です。初期は成功しやすいシンプルな活動から始め、成功体験を共有することで「やって良かった」という感覚を持ってもらいました。
今では個人目標とそこに向かっての活動を自分で提案するところまで来ました。強い手応えを感じましたね。もともと「自発性」「チームワーク」「挑戦精神」などを人事評価に組み込んでいるのですが、CSR活動を通じて皆が評価軸を具体的に理解できるようになりました。確実に好循環が生まれていると思います。

地元寺院での活動は心に染み渡る善行
スマイリー:
今年はどのような活動を行いましたか?
マサ:
様々な活動があるなかで今年2025年はNCTの事務所近くの寺院ワット・ポー・プラパー・ニミットでの清掃、寄付活動を行いました。功徳を積む、ということの由来から考えると原点に近い活動とも言えます。


マサ:
タイでの寺院は地域コミュニティの中心という位置付けもあるので、地域貢献という意味合いもあります。社員の納得度も非常に深いように感じましたし、私も心が洗われるような感慨がありました。やって良かった、という意味では格別の感がありました。
アオサギさんのインタビューでお答えしたように、タイの事業環境は非常に厳しいのですが社員は結束しています。ここを耐えて、創造・挑戦・成長を体現していることをお見せできると確信しています。
スマイリー:
当初の目論見どおり企業理念が根付く基盤をYES! NEOSチャレンジを通じて実現できた!ということですね。嬉しいお話をありがとうございました!
ネオスケミカルタイランド マサ
PR推進事務局 スマイリー