社員ブログ
〇剥離剤って何?なんで必要なの?
剥離剤(はくりざい)は、「古くなった塗装や汚れをきれいに剥がすための薬品」です。産業用としては主に塗装治具や塗装不良製品の再塗装前に使用されます。
塗装治具(じぐ)ってなに?
塗装治具とは、工場などで製品に塗装をする時に「製品を固定したり、吊るしたりするための器具」のことです。
たとえばこんなもの:
- 金属製のフックやハンガー
- 製品を載せるトレーや枠
- ロボットアームの先端部品 など

なぜ剥離剤が必要?:
治具も塗装時に一緒に塗料をかぶってしまうので、使うたびに塗料がどんどん蓄積していきます。
これが進むと…
問題 | 結果 |
---|
治具に塗膜が厚くつく | 製品がうまく固定できない |
塗膜がボロボロ剥がれる | 製品にゴミや異物がつく |
重く・汚くなる | ロボットやラインで不具合が発生しやすくなる |
これを防ぐために定期的に塗膜をきれいに剥がす必要があります。
〇剥離の歴史
剥離方法は、かつては金属表面を物理的に削るショットブラストが主流でした。作業性が良く、幅広い形状・材質に対応できるメリットがある一方、治具を傷めやすく粉じんも多いため、1970年代以降は強力で即効性のある塩素系溶剤(トリクレンやジクロロメタン)が普及しました。しかし、これらは発がん性やVOC排出など健康・環境への悪影響から国内外で規制が強化され、現在では作業者の安全性や環境負荷の低減を重視したPRTR非該当・非危険物の水溶性剥離剤が主流となっています。ネオスはいち早くこの問題に着目し、塩化メチレン代替を率先して対応してきました。
【剥離工法の推移】

【工法による違い】

〇ネオスの浸漬型剥離剤
ネオスの水溶性浸漬型剥離剤には水性アルカリタイプと半溶剤タイプ(アルカリ性・中性)の2種類あります。それぞれの特徴として、塗膜を除去する作用の仕方に違いがあります。
●水性アルカリタイプ:アルカリを主成分とし、塗膜を溶解して剥離。
● 半溶剤タイプ :塗膜を膨潤させて剥離。膨潤と溶解の併用により塩素系と同等以上の剥離性。
下記が剥離機構のイメージ図になります。

ネオス主要製品一覧
製品名 | タイプ | 主な用途 | 特徴 |
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デスコートSR-300K | アルカリ性(半溶剤・膨潤型) | 塗装治具・ハンガー | 加温使用で強力。金属に優しい。 |
デスコートSR-30 / SR-40T | 中性(半溶剤・膨潤型) | 幅広い塗装素材 | 材質への影響が少ない。 安全性重視。 |
CS-P / CS-500 | 強アルカリ性(水性・溶解型) | 電着塗膜、カーボン | 頑固な塗料に対応。 |
今回はネオスの浸漬型剥離剤に関する記事を書かせて頂きました。
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