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社員ブログ

ネオス研究所の設備・機器紹介⑤ レオメーター
2025.03.14

 私たちの会社には、日々の業務を支えるためのさまざまな設備が整っています。このブログシリーズでは、社内設備・機器を一つずつ紹介していきます。第5回目となる今回は、レオメーターについてご紹介します。

 レオメーターとは、液体の粘度や、液体のもつ粘性と固体のもつ弾性の両方を併せ持った性質(粘弾性)を分析することができる装置です。一般的な回転式粘度計の場合、一定の回転数で一方向に測定治具を回転させることで粘度を測定しますが、レオメーターの場合、そういった測定はもちろんのこと、回転数を変化させながらの測定や、測定治具を振動(回転方向を右→左→右と交互に切り替えて)させながら測定することもでき、そうすることで様々なレオロジー特性を評価することができます。本記事では、ネオスでの製品開発におけるレオメーターの活用例についてご紹介します

活用例・・・剥離剤の開発

 ネオスでは鋼構造物用塗膜剥離剤の開発を行っています。こちらの製品はスプレーや刷毛などにより剥離対象物へ塗布され、一定時間塗膜上に保持される間に剥離剤成分を塗膜へ浸透させて剥離します。そのため、塗装時には粘度が低く(粘度が高いと霧化されず吐出されない、パターンが悪化する等の不具合が生じる)、塗着後は粘度が高いこと(粘度が低く、垂れて流れてしまうと塗膜を軟化、膨潤させるだけの剥離剤成分を浸透させることができない)が必要となります。

 こういった剥離剤の塗布性や垂れ性を評価する際にレオメーターが活用されます。レオメーターでは、回転速度を変化させながら測定することができるため、剥離剤の垂れやすさ(低せん断時の粘度)と塗布性(高せん断時の粘度)を一度に測定することができます。また、高せん断を加えてすぐに低せん断時の粘度を測定することで、スプレー塗布された直後の状態を再現して粘度を測定することもできます。

 また、垂れ性の評価においては粘弾性の評価も有効です。例えば、サンプルAはサンプルBよりも高い粘度の値を示しましたが、実際に垂れ性を調べると、サンプルAはサンプルBと比べて垂れやすいことが分かりました。こうした性質の違いは粘弾性を調べることで理解することができます。グラフには粘弾性の測定で得られた損失正接tan(δ)の値を示していますが、こちらの値が大きくなればなるほど粘性体(液体)としての性質が強くなり、小さくなると弾性体(固体)としての性質が強くなります。サンプルBは粘度の値としてはサンプルAよりも小さいものの、弾性体としての性質が強く、自重程度の力では内部構造が保たれるために垂れにくくなっていました。このように、粘弾性を調べることで、粘度の値だけでは把握することができない性質の違いを理解することができます。

おわりに

 今回は紹介しませんでしたが、レオメーターでは温度変化に伴う様々な物性や構造の変化等も評価することができ、非常に応用範囲が広い装置です。我々ネオスは、こういった装置を活用することで、より高性能・高品質な製品の開発を目指しています。

 次回以降はネオスが保有する他の機器についても紹介していきますので、是非ご覧になってください。

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