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ネオス研究所の設備・機器紹介② 接触角計
2024.12.13

私たちの会社には、日々の業務を支えるためのさまざまな設備が整っています。このブログシリーズでは、全6回にわたって社内設備・機器を一つずつ紹介していきます。第2回目となる今回は、接触角計について紹介します。

<接触角計とは>

液体を金属やガラスなどのプレートへ滴下した際の、液滴の接線とプレート表面とのなす角度θを「接触角」といいます。接触角はぬれ性などを表す指標として、半導体産業・コーティング業界・医療機器産業・食品産業など様々な分野において活用されています。接触角計は、上記の接触角を測定できる装置になります。

装置の詳しい説明や原理については、装置メーカーのHP等で紹介されているため、本記事では、ネオス社内で接触角計を活用した製品開発の事例を紹介します。

「生産性向上と電力使用量削減を実現する水溶性洗浄剤の開発」

 自動車、産業機器の製造業においては、機械部品の加工後の洗浄や組み立て前の洗浄として、一般的に水溶性洗浄剤が用いられています。また近年、企業においても「品質の向上」、「生産性の向上」に加えて、地球環境保護への活動を重視されるようになっており、その取り組みの一つとして、電力使用量削減(省エネルギー)があります。
 高い品質を求めるユーザー様の多くで、洗浄剤は60℃以上に加温して使用されますが、電力使用量削減には洗浄温度を下げることが不可欠です。しかしながら、洗浄温度を下げると様々な不具合が発生してしまいます。

<低温化によるデメリット>
①洗浄性の低下(汚れが落ちにくくなる)
②消泡性の低下(泡が立ちやすくなる)
③防腐性の低下(腐りやすくなる)
④洗浄後の乾燥時間が長くなる(乾燥しにくくなる)

上記のような課題解決を目指し、製品設計を進めていく中で、④の洗浄後の乾燥性の評価手法として接触角計を活用しました。

<洗浄剤の低温化と乾燥性>
低温化によりワーク材(被洗浄物)に残った洗浄剤が蒸発しにくくなってしまいます。
 そこで、下の写真のように洗浄剤のワーク材へのぬれ性を高くすることで、ワーク材との接触面積が広くなり、乾燥しやすくなると考えました。

<従来品と開発品との乾燥時間の比較>
下図のように実際に乾燥時間を比較したデータにおいても、開発品は従来品より乾燥時間が早いという結果が得られました。ご使用頂いているお客様においても、乾燥に要する作業時間の短縮やエアブローなどの仕上げ処理も楽になるということで、ご好評頂いております。

乾燥性の比較(濃度3%、液温27℃)

まとめ

 接触角計は、ぬれ性という機能を評価する上で欠かせない機器であり、ネオスにおいても製品開発に活用されています。また、測定データも画像で出力できるため、お客様にお見せした際も視覚的にぬれ性がイメージしやすく、販促資料としても有効な機器となっています。
 次回以降もネオスが保有する他の機器についても紹介していきますので、是非ご覧になってください。

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