わたしたちネオスが提供する塗布型剥離剤NE-1/NE-3は塗料に含まれる有害物質の除去を目的に開発され、多くの塗膜剥離工事に実績があります。

～有用な性能と環境への影響～

1990年代までにかけられた橋梁や歩道橋の多くは、鋼材の腐食防止のために鉛を含有した塗料が使われています。鋼材のサビ止めとして非常に有用ですが、一方で環境、人体への有害性が指摘され、鉛の代替となる原料やサビ止め方法の検討が行われてきました。

2002年に南アフリカのヨハネスブルグで開催されたWSSD（World Summit on Sustainable Development：持続可能な開発に関する世界首脳会議）において、「化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産されることを2020年までに達成する」との目標が採択されて以降、日本では鉛を含有した塗料は各業界や企業の努力もあり、減少傾向を続けています。

採択後、厚生労働省の調査では2008年に生産された塗料のうち、鉛含有塗料はわずか0.7%にまで減少しました。採択以前から環境への取り組みが業界では行われていましたが、採択後6年で1%を切るまでに至ったのは多くの企業が環境問題に真摯に取り組んだ成果でした。

こうした各企業の努力もあり、2020年には多くの塗料メーカーが加盟する日本塗料工業会が、鉛含有塗料の生産及び販売が全て終了したと発表するに至りました。

～鉛塗料の除去～

鉛を含む塗料を使用した橋梁や歩道橋などの鋼構造物が新たに設置されることはなくなりましたが、依然として鉛塗料を使用した構造物は現存することから、今度はそれらの塗料を除去する必要が出てきました。

当初は塗り重ねなどのいわゆる「封じ込め」で延命をしていましたが、塗料は一定以上の厚みになると経年劣化で割れやすくなり、鉛を含む塗膜が露出してしまうため、塗膜剥離を行わなくてはなりません。

～塗膜除去工法の見直し～

鉛などの有害物質を除去するために、塗装剥離工事はブラスト工法などの砂を塗膜にあてて除去する物理的な剥離工法が中心でした。しかし、鉛を含む粉じんが足場内に充満することから意図せず鉛を吸い込んでしまい、中毒事故となる事例が相次ぎ、見直しを余儀なくされます。

現場作業者の健康障害防止として2014年に厚生労働省から「剥離等作業は必ず湿潤化して行うこと」という通知が出され、剥離剤工法が注目され、ネオスでもネオハクリ工法を上市しました。

～剥離剤工法のメリットと様々な要求項目～

剥離剤を塗替塗装工事で使用するメリットは鉛を含む塗膜を粉じんにさせないということです。ほかにも市街地に位置する橋梁や歩道橋などは騒音、臭気などにも特に配慮して工事を行う必要があります。

ブラスト工法や電動工具などの物理的な塗膜除去工法は騒音や粉じんなどを近隣環境に十分に配慮しながら対策をして施工しなくてはなりません。また、2018年の働き方改革関連法の施行以降は土日完全週休二日制なども考慮する必要があります。

以前は工事日数を重視し、いかに早く工事を終えるかが主流でしたが、現在は様々な環境に配慮しながら工期内に終えなくてはならないため、工事難易度は年々高くなり、現場代理人や監理技術者の頭を悩ませています。

～環境にやさしい剥離剤～

ネオスでは塗膜剥離作業時の浮遊有害物質、騒音発生の抑制、産業廃棄物量の低減を実現する塗膜剥離剤NE-1とNE-3の2製品をラインナップしており、安全で環境と人にやさしい塗膜除去工法を実現します。

～NE-1の特長～

NE-1は2016年の販売開始以降、橋梁、水管橋、タンク、鉄塔などあらゆる鋼構造物で使用され、高い万能性を持つことからハイバランス万能型の剥離剤として市場で確固たる地位を築くに至りました。

特に低臭気であることから都市部の橋梁や歩道橋工事において近隣住民に配慮した製品であると、ご使用いただいた施工会社様から好評です。

秋ごろの乾燥しやすい季節でもしっかりと湿潤状態が保たれていることから剥離剤を規定量通り塗布することでしっかりと性能を発揮できるという評価もいただいております。

～NE-3の特長～

NE-3は従来の剥離剤で性能が発揮されにくいとされてきた低温時の剥離作業やフッ素塗膜、変性エポキシ塗膜など耐薬品に強い塗料に対して良い相性を示します。

冬季の剥離作業や東北・北海道地方の春秋季施工など昼夜で気温差が激しく、夜間は低温になるような環境下で良好な性能を発揮し、東北、北海道地方で剥離作業をした施工会社様から高い評価をいただいています。

フッ素塗膜や変性エポキシ塗膜の剥離作業においても、従来の剥離剤では施工回数が増え、設計変更を余儀なくされるケースがありましたが、NE-3を使用することで剥離回数を増やすことなく施工ができたと高い評価をいただきました。

設計通りに施工を進めることができ、施工管理のしやすい剥離剤としても注目を集めています。

実際の剥離性能についてはネオスウェブサイトに動画が掲載されていますので、

下記リンクよりぜひチェックしてみてください。

ネオハクリ工法　NE-1/NE-3　

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