非塩素系建築塗膜用剥離剤 エコデスシリーズ
非塩素系建築塗膜用剥離剤 エコデスシリーズとは?
建築物、プラント、鉄道、船舶等の塗膜に対して優れた剥離性を発揮します。
特に建築物解体・改修工事の際に、アスベスト含有塗膜を飛散させることなく除去が可能です。
エコデスシリーズの特徴
- 塗膜を軟化・膨潤させ、湿潤状態での剥離作業となるため、騒音、粉塵の発生が最低限に抑制できます。
(特にアスベスト含有塗膜除去の場合、剥離剤などで湿潤状態で剥離を行うことで、レベル3で除去することが可能) - 低臭、中性タイプの環境対応型塗膜剥離剤です。(塩素系溶剤(ジクロロメタン等)を含みません)
- エアレススプレー、吹き付けガン、刷毛、ローラーでの塗布が可能です。特にエコデス-2は厚塗りが可能です。
- 塩素系剥離剤に比べ蒸発が遅く、効果が長時間持続します。
- 剥離剤は産業廃棄物(非特別管理産業廃棄物)扱いで廃棄可能です。
アスベスト含有塗材除去時の粉じん発生によるレベル分け
- アスベストには、飛散性・非飛散性という分類の他に、発じん性での分類もあります。
- これは、粉じんの起こりやすさで1~3のレベルに分類するもので、数字が小さいほど、粉じんが起こる危険性が高く、廃棄の処理にかかる費用や設備が大きくなり、トータルコストが上昇します。
- ブラストや動力工具などで除去したアスベストは粉じんとして飛散する為レベル1の扱いになる可能性が高くなります。
- アスベスト含有塗材を剥離剤を使用し湿潤状態で除去を行うことで、レベル3対応での施工が可能となります。
(建築物の改修・解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針)
対象となるアスベスト類 | 作業者への対策 | |
---|---|---|
レベル1 | アスベストが吹き付けされているもの | 著しく発じん量が多い作業で、作業場所の隔離や高濃度の粉じん量に対応した防じんマスク、保護衣を適切に使用するなど、厳重なばく露防止対策が必要なレベル |
レベル2 | 吹き付けられていないもののうちアスベスト含有保温材と耐火被覆材、およびそれに類似した断熱材 | 比重が小さく、発じんしやすい製品の除去作業であり、レベル1に準じて高い暴露防止対策が必要なレベル |
レベル3 | アスベストが吹き付けられていないもの | 発じん性が比較的低い作業で、破砕、切断等の作業においては発じんを伴うため、湿式作業を原則とし、発じんレベルに応じた防じんマスクを必要とするレベル |
エコデスシリーズ ラインナップ
エコデス-1 | エコデス-2 | エコデス-3 | |
---|---|---|---|
特徴 | リシン、薄塗材等の薄膜に有効。水系、低臭気により使用しやすい | 弾性塗膜、スタッコ等の厚膜に有効。液ダレが少なく厚塗りが可能 | 薄膜、厚膜どちらにも有効。水系でありながら塗膜浸透性が高い |
タイプ | 水系 | 溶剤系 | 水系 |
外観 | 乳白色 | 茶褐色 | 乳白色 |
臭気 | 僅かな特異臭 | 溶剤臭 | 溶剤臭 |
液性 | 中性 | 中性 | 中性 |
引火点 | なし | 93℃ | なし |
消防法 | 非危険物 | 非危険物 (指定可燃物可燃性固体類) |
非危険物 |
有機溶剤中毒予防規則 | 非該当 | 非該当 | 非該当 |
毒物及び劇物取締法 | 非該当 | 非該当 | 非該当 |
化学物質排出把握管理促進法 | 非該当 | 非該当 | 非該当 |
容量 | 18kg/缶 | 18kg/缶 | 16kg/缶 |
剥離作業の流れ
事前試験の実施
- 実施工における旧塗膜の剥離可否、難易度、残存塗膜の状態、塗布量、軟化膨潤時間、施工効率を確認するために、必ず試験施工を事前に行う必要があります。
- 試験施工は可能であれば複数ヶ所行うことで、よりよく状況を把握できます。
(全体的な剥離傾向の確認と各部位における旧塗膜の把握の為) - 旧塗膜の厚みにより塗布量が変化します。
飛散防護ネット・ポリエチレンシート・ポリプロピレンシート等で養生してください。
エアレス塗装機・万能ガン・刷毛・ローラー等で塗布してください。
安全性の確保、剥離剤の浸透力の向上及び剥離剤の蒸発抑制のために、ポリエチレンシートを被せることも効果的です。
【エコデス-2】シート養生 左:無し 右:有り
塗布後6~48時間を目安に軟化、膨潤効果を確認してください。
(標準目安は24時間としますが、塗膜の種類、膜厚、外気温等によって異なります)
【エコデス-2】塗布24時間後
刃付スクレーパー、ケレン棒などの手工具で軟化膨潤した塗膜をすべて除去してください。
旧塗膜除去後、水洗い等を実施頂き残存物が無いようにお願いします。
(水洗い実施の場合は十分に乾燥させてください)
※ 解体物件の場合は不要
適用する塗装の塗装仕様通り下地処理を実施し、塗替塗装を行ってください。
※ 解体物件の場合は不要
関係法令に従い、適切に処理してください。
施工事例
エコデス-1
対象塗膜:防水型複層塗材E(凹凸模様)
膜厚:2㎜程度
施工1日目:気温17℃ 湿度80%
施工2日目:気温13℃ 湿度41%
使用薬剤:エコデス-1
塗布量:1kg/m2 1回塗布
エコデス-2
対象塗膜:アクリルゴム・外壁化粧防水(高弾性塗膜)
膜厚:7㎜程度
施工1日目:気温28℃ 湿度43%(1回目塗布)
施工3日目:気温27℃ 湿度48%(2回目塗布)
使用薬剤:エコデス-2
塗布量:1kg/m2 2回塗布
標準塗布量
標準塗布量:1.0kg/m2/回
塗材 | 目安塗布量 | 目安剥離時間 | |
---|---|---|---|
薄塗材E | (樹脂リシン) | 0.5kg/m2~1.0kg/m2 | 8~18時間 |
可とう形外装薄塗材E | (弾性リシン) | ||
防水型外装薄塗材E | (単層弾性) | ||
複層塗材E | (アクリル系吹付タイル) | 0.7kg/m2~1.5kg/m2 | 24~48時間 |
防水型複層塗材E | (複層弾性) | ||
複層塗材RE | (水系エポキシ) | ||
厚塗材E | (樹脂スタッコ) |
塗布量はあくまで目安です。複層塗膜の場合は塗膜厚1mmに対して1.0kg/m2を目安としてください。