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化学品

フッ素系界面活性剤”フタージェント”

フタージェントシリーズの特徴

フッ素系界面活性剤は一般的にパーフロオロアルキル基を有する界面活性剤を指し、炭化水素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤と比べ、優れた表面張力低下能を有します。
フッ素系界面活性剤”フタージェント”は多年にわたるフッ素化学分野の研究の中で、ヘキサフルオロプロペン(HFP)オリゴマーから誘導して開発した、独特な構造をしたフッ素系界面活性剤です。フタージェントは分子内に二重結合を有し、複雑に分岐したパーフルオロアルケニルの構造となります。
この構造により"フタージェント"はパーフルオロアルキル基を有する界面活性剤に比べ特異的な物性を示します。
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PFOS,PFOA,PFHxS,PFHxA非含有

”フタージェント”はPFOS,PFOA,PFHxS,PFHxAとは異なる構造を持つ化合物です。
ご質問がございましたらお問合せください。
(お問合せページはこちら)

フタージェントシリーズの用途

レベリング剤・湿潤剤

”フタージェント”を少量添加することで、レベリング性(表面平滑性)、湿潤性を向上させ、はじきやムラなどの課題を改善します。
特に炭化水素系界面活性剤では表面張力低下が困難な有機溶剤に対しても優れた表面張力低下能を示します。
更に、”フタージェント”は表面への配向スピードが速く、動的な表面張力低下能に優れますので生産性の向上や
歩留率向上に貢献します。

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スジや塗エムラ、ピンホール等の問題を解決します。

リコート性レベリング剤

”フタージェント”は、レベリング性も高く平滑な積層コーティングの構築に有効です。
積層コーティングを行う際、アンダーコートに対してレベリング性(表面平滑性)が求められます。しかし、レベリング剤の種類によっては、不具合が発生するケースがあります。
”フタージェント”を使用すると直鎖フッ素系やシリコーン系で発生しやすい上層のはじきや剥がれを低減することができます。

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結晶構造を形成しない為、
はじき・剥がれが発生しない

不具合例

直鎖フッ素系レベリング剤を添加
表面にフッ素の結晶構造を形成し、はじき・剥がれ発生
レベリング不足
シリコーン系レベリング剤を添加
シリコーン成分が表面に配位し、はじき・剥がれ発生
フタージェント添加
直鎖フッ素系
レベリング剤添加
シリコーン系
レベリング剤添加
項目 単位 フッ素系 シリコーン
レベリング剤
未添加
フタージェント602A 直鎖フッ素系
レベリング剤
レベリング性 - ×
リコート性 - × ×
接触角(水) 59 111 95 63
接触角(油) 15 75 43 12
レベリング性
単位
  • -
フッ素系 フタージェント602A
フッ素系 直鎖フッ素系レベリング剤
シリコーンレベリング剤

未添加

×

リコート性
単位
  • -

フッ素系 フタージェント602A
フッ素系 直鎖フッ素系レベリング剤
  • ×
シリコーンレベリング剤

×

未添加

接触角(水)
単位
フッ素系 フタージェント602A
  • 59
フッ素系 直鎖フッ素系レベリング剤
  • 111
シリコーンレベリング剤

95

未添加

63

接触角(油)
単位
フッ素系 フタージェント602A
  • 15
フッ素系 直鎖フッ素系レベリング剤
  • 75
シリコーンレベリング剤

43

未添加

12

※油:オレイン酸
※代表値であり、規格値ではありません。

フッ素樹脂分散剤

フタージェント添加により、PTFEの分散性を向上させます。
・水、溶剤といった各種溶媒に使用可能。
・PTFE分散性及び再分散性が良好です。
・PFOA非含有のPTFE分散性にも優れています。

分散写真

フタージェント添加

未添加

PTFEの溶媒中での分散性、及び再分散性が良好です。

粒度分布

粒度分布がPTFE粒径に近く、 分散良好であることがわかります。

平均粒子径0.38µmのPTFEを使用

分散性

フタージェント100を添加した分散液ではPTFEの凝集が見られません。

(平均粒子径3.15µmのPTFE粒子使用)

フタージェント100

他社品

凝集したPTFE

PTFE分散液をガラス板に滴下し乾燥後、マイクロスコープにて観察 観察倍率:450倍

推奨品
・フタージェント100(水系)
・フタージェントMシリーズ(水系)
・フタージェント710シリーズ(浴剤系)
()内は対象溶媒
推奨添加量
・2~10wt%(有効成分)※樹脂比

表面改質剤

表面の配向性に優れる”フタージェント”は防汚性付与などの表面改質剤としても提案が可能です。
従来からのフッ素らしい撥水撥油だけではなく、フッ素でありながら親水性付与や親油性付与ができる製品もございます。

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フタージェント680シリーズの製品紹介

フタージェント680シリーズのポイント

UV塗料に添加することで、密着性の向上が期待できます。
・フッ素の効果により、親水性官能基を表面に運びます。
・表面の水接触角を低下できます。
・濡れ性を向上させるため、重ね塗りに最適です。

物性

水接触角低下能(樹脂:DPHA)

製品名 フタージェント添加 未添加
製品名

フタージェント681

フタージェント681
フタージェント添加

52°

フタージェント添加

66°

DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート

濡れ性、密着性

フタージェント681 濡れ性 濡れ試薬(50dyn)
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密着性 粘着テープ剥離(簡易試験)
13N/mm2
一般的なレベリング剤 濡れ性 濡れ試薬(50dyn)
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密着性 粘着テープ剥離(簡易試験)
7N/mm2
未添加 濡れ性 濡れ試薬(50dyn)
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密着性 粘着テープ剥離(簡易試験)
10N/mm2
フタージェント681 フタージェント683
製品名

有効成分

フタージェント681
フタージェント添加

30wt%

フタージェント添加

30wt%

製品名

溶剤

フタージェント683
フタージェント添加

酢酸エチル

フタージェント添加

IPA

製品名

反応性官能基

フタージェント683
フタージェント添加

有り

フタージェント添加

無し

製品名

有効成分

フタージェント681
有効成分

30wt%

溶剤

酢酸エチル

反応性官能基

有り

フタージェント683
有効成分

30wt%

溶剤

IPA

反応性官能基

無し

用途
・積層用ハードコート剤
・UV硬化塗料
推奨添加量
・樹脂に対し 0.5~2wt%

テープ剥離試験

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モデル塗エフィルムに粘着テープ(2.5✕2.5cm)
を接着させ、粘着テープを剥離する際の強度をプッシュプルスケールを用いて測定。


粘着テープ
日東電工製 ポリエステル基材粘着テープNo.31B

塗工液配合条件

樹脂 UV硬化樹脂 30wt%
溶剤 メチルエチルケトン 残部
光重合開始剤 1.2wt%
添加剤(有効成分として) 0.3wt%

塗工条件

PETフィルムにバーコーター(No.8)で塗工
80℃で1分乾燥後、UV照射(高圧水銀 約500mJ/cm\(^{ 2 }\))

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