よくある質問 - 精密洗浄・精密研磨


精密洗浄

ブラスト処理ってどんな処理ですか?
圧縮空気を用いて研削砥粒を加工面に吹き付け、錆や汚れを除去する処理をいいます。ブラスト処理では、研削砥粒としてアルミナ、ガラスビーズ、SiCなどを用いますが、研削砥粒の材料、粒径を適当な物に選定することで、表面の清浄化とともに表面の粗面化が出来ます。
アンカーパターンとは何ですか?
厚く付着物が付着すると、その膜が持つ応力や温度の影響で膜に割れや剥れが生じ、ごみの原因となります。アンカーパターンとは、ブラスト処理により、表面を粗面化することをいい、この面が持つ投錨効果により、膜の割れや剥れを防止するものです。
溶射とはどんなものですか?
表面被覆法の一つで、『溶かして射る』の文字通り、被覆材料を熱源により溶融させ、溶けた状態の材料を圧縮空気等で基材に打ち付け、膜を形成させる方法です。溶射膜は、塗装等とはことなり、膜内部に気孔を有するスポンジのような構造で、付着膜応力の緩和に効果を発揮します。熱源により、さまざまな溶射法があります。
精密洗浄って何?
一般洗浄のように肉眼や感触によってその清浄度を判断できる程度のものではなく、人間の感覚外にある精度まで追求する洗浄が精密洗浄です。具体的には、ミクロン単位の汚れや各種金属類の汚染除去を、クリーンルーム内で超純水を用いて実現する洗浄を言います。
Na,K(ナトリウム , カリウム)を特に管理する意味は?
半導体は、様々な特性を持つ種々の金属(化合物)の組み合わせにより、その機能を果たしますが、特にNa,Kによる汚染は、この機能を阻害する元素として知られています。このため、これらの元素の半導体装置内への持ち込みを極力抑えるために、特に管理した洗浄を行う必要があります。
クリーンルームってどんな部屋?
クリーンルームとは空気中の微細粒子、必要に応じた温度、湿度および圧力などを調整できる部屋で、塵埃(じんあい)について特に考慮された空調設備のある部屋のことをいいます。清浄度はクラス○○という表し方をしますが、クリーンルームは半導体、医薬製造など様々な業界に多岐にわたって使用されていて、それぞれの業界によって少しずつ内容の違う規格が存在しています。日本国内にてはほとんど米国規格が用いられています。
洗浄って具体的にどんな作業なの?
洗浄は、付着物除去工程と精密洗浄工程からなります。付着物除去工程は、化学による洗浄の他、必要、ご要望に応じてブラスト処理、高圧水処理等を組み合わせた方法により行います。付着物除去が終わったものは、必要に応じて表面処理を行った後に、クリーンルーム内で超純水を使用した精密洗浄により仕上げます。

精密研磨

電解研磨ってなんですか?
陽極に被研磨品(ステンレス製品)、陰極に電極を取り付け、電解液中で処理します。表面を溶出させることで、加工変質層がなく、付着物の少ない、なめらかな面が得られます。
各処理でのグレードはどの程度ですか?
機械研磨・電解研磨・ラップ研磨の順に研磨面表面粗さのグレードが上がります。 電解研磨・ラップ研磨の場合、表面粗さは通常 Ry0.7µm以下になります。
表面の薬品残りはありませんか?
通常、研磨品は洗浄による仕上げを行います。精密洗浄処理を行えば、イオンクロマトでの水洗水の分析で、通常ppbレベルの仕上がりになっています。
研磨できる製品の大きさ、形状に制限はありますか?
基本的には300×300×300mm以内のもので、平板の他、管の場合は内径2.5mm以上の直管、L字管、T字管です。
各処理の利点について教えて下さい。
機械研磨は、加工目を除去等の目的で行います。
電解研磨は、鏡面仕上げ、表面付着物の除去等の目的で行います。
ラップ研磨は、平坦度、鏡面仕上げ等を要求される場合行います。
使用されている薬品は、なんですか?
電解研磨・化学研磨ともに用いる薬品は、酸ベースに腐食抑制剤・光沢剤等を添加したものです。