社員ブログ
私たちの会社には、日々の業務を支えるためのさまざまな設備が整っています。このブログシリーズでは、代表的な社内設備・機器を6回にわたって一つずつ紹介していきます。第1回目となる今回は、GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析装置)について紹介します。
GC-MSとは
GC-MSはガスクロマトグラフ(GC)に質量分析計(MS)を検出器として接続した装置です。試料中に含まれる化合物をGC部で加熱気化させ、カラムを通して成分毎に分離します。分離した成分をMSで検出することにより、どのような成分(定性分析)がどの程度(定量分析)試料中に含まれているか調べることができます。
装置の詳しい説明や原理については、装置メーカーのHP等で紹介されているため、本記事では、ネオス社内でGC-MSをどのように活用しているか紹介していきます。
活用方法①・・・開発支援
開発中の製品を適宜GC-MSで分析することにより、含有している化合物の情報を得ることができます。
例えば、ある製品を開発している時に特定のメーカーの原料を使用すると製品に濁りが発生することが判明しました。 そこで当該原料をGC-MSで分析したところ、原料成分とは異なる不純物が僅かに含まれていることが分かりました。不純物のMS情報より構造を特定し、正常な製品に添加したところ、濁りを再現することができたため、検出された不純物が濁りの原因であることが特定できました。その後メーカーに対し不純物を管理項目に入れていただくことを要請し、品質の高い原料を安定して確保できるようになりました。
このように開発中に発生した想定外の現象に対し、GC-MSを活用することにより、原因の特定及び製品の品質向上に繋げることができます。
活用方法②・・・製造品検査
製造現場においてもGC-MSを活用しています。
下の図は、原料Aと原料Bを合成して生成物Cを製造している例です。反応が進むにつれて、原料のクロマトグラムピークは減少し、生成物のピークは増大します。既定の時間反応させた後、GC-MSにより原料ピークが一定量以下になっていることを確認(検査)し、次の工程に移るための指標としています。
活用方法③・・・使用液分析
GC-MSにより、お客様にてご使用いただいている製品の状態を分析することができます。
具体的には新しい状態の製品と、ある程度の期間使用した製品を比較分析し、配合されている成分量の増減を確認します。特定の成分が減少していることが確認できた場合、減少している成分を含む添加剤を補給することで使用液を新しい状態に近づけ、長期に渡って快適にご使用いただくことができるようになります。
まとめ
GC-MSは定性、定量能力共に高く、化学分析を行う上では欠かせない機器であり、ネオスにおいても開発から製造、ユーザーフォローまで幅広く活用しています。
一方で分析対象物を加熱気化させなければ検出できない原理上、高分子成分や高極性成分等の気化し難い成分の分析には適していません。またGC-MSは各成分に分離して分析するため、各成分が集合して示す特性(粒度や粘度等)を評価することはできず、異なる分析機器による分析・評価が必要になってきます。
次回以降はネオスが保有する他の機器についても紹介していきますので、是非ご覧になってください。
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